本のいぬ

本のあいだをふらふら歩く、 のらいぬ澤 一澄 (さわ いずみ)の書評ブログ

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『中世ヨーロッパの書物 修道院出版の九○○年』箕輪成男著

『中世ヨーロッパの書物―修道院出版の九〇〇年』 箕輪成男著 出版ニュース社 3,150円 世界的ベストセラーになったウンベルト・エーコの小説『薔薇の名前』は中世北イタリアの修道院が舞台。そこはキリスト教世界最大の蔵書を持ち、また修道士が写本を筆写、…

『ぼくが見てきた戦争と平和』長倉洋海著

『ぼくが見てきた戦争と平和』 長倉洋海著 バジリコ 1,890円 フォト・ジャーナリスト長倉洋海氏の写真で心惹かれるのは、人々の笑顔だ。屈強なイスラム戦士が、苦境にある人々が、笑顔をはじけさせている。この写真を撮っている人も笑顔をうかべているんだろ…

『百年の愚行』小崎哲哉ほか編

『百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY [普及版]』 小崎哲哉ほか編 紀伊国屋書店 2,520円 1枚の写真。海辺で抱き合う恋人たち。その足下はごみだらけ。だが、彼らはそれに気づかない。今の地球と人類を象徴するような光景だ。 この本は、そんな人類の愚…

『酒づくりの民族誌 増補―世界の秘酒・珍酒』山本紀夫編著

『酒づくりの民族誌 増補―世界の秘酒・珍酒』 山本紀夫編著 八坂書房 2,520円 酒はおいしい。酒は楽しい。味わうは快感。酩酊は極楽。 この本はワインやウイスキーなどの高級酒ではなく、世界の民族の地酒、主に家でつくる酒、その数30以上を取り上げる。そ…