本のいぬ

本のあいだをふらふら歩く、 のらいぬ澤 一澄 (さわ いずみ)の書評ブログ

『はだしのゲン』、松江市小中学校図書室で閲覧制限・児童生徒への貸出禁止の件について

松江市教育委員会が『はだしのゲン』を市内の全小中学校へ学校図書室で閲覧制限したのみならず貸出禁止を求め、全校がそれに応じた、と? 表現の自由、出版の自由、思想の自由を妨げる検閲だ。教育委員会とは、「教育」が名ばかりの上だけを見ている役人たちの機関。 学校は、なぜそれにはいはいと従う? 学校図書室の責任者は、または司書は、それに異議を申し立てることをしたのか? 申し立てることができる強い立場ではなかったのだろうが。それとも学校図書室に責任者を置いていなかったのか? 「それをおまえ大事にしていたか? 少しは守ろうとしたか?」(『シュトヘル』のセリフ) 学校図書室から知る自由が失われてからでは遅い。現在の日本の公共図書館学校図書室は、教育委員会という政治からの独立性がまったくない部署の傘下にある。これらの図書館では、もう知る自由は司書が努力しても望めないかもしれない。  はだしのゲン:松江市教委、貸し出し禁止要請「描写過激」 毎日新聞 2013年08月16日 19時22分(最終更新 08月17日 14時24分)  漫画家の故中沢啓治さんが自らの被爆体験を基に描いた漫画「はだしのゲン」について、「描写が過激だ」として松江市教委が昨年12月、市内の全小中学校に教師の許可なく自由に閲覧できない閉架措置を求め、全校が応じていたことが分かった。児童生徒への貸し出し禁止も要請していた。出版している汐文社(ちょうぶんしゃ)(東京都)によると、学校現場でのこうした措置は聞いたことがないという。  ゲンは1973年に連載が始まり、87年に第1部が完結。原爆被害を伝える作品として教育現場で広く活用され、約20カ国語に翻訳されている。  松江市では昨年8月、市民の一部から「間違った歴史認識を植え付ける」として学校図書室から撤去を求める陳情が市議会に出された。同12月、不採択とされたが市教委が内容を改めて確認。「旧日本軍がアジアの人々の首を切ったり女性への性的な乱暴シーンが小中学生には過激」と判断し、その月の校長会でゲンを閉架措置とし、できるだけ貸し出さないよう口頭で求めた。  現在、市内の小中学校49校のうち39校がゲン全10巻を保有しているが全て閉架措置が取られている。古川康徳・副教育長は「平和教育として非常に重要な教材。教員の指導で読んだり授業で使うのは問題ないが、過激なシーンを判断の付かない小中学生が自由に持ち出して見るのは不適切と判断した」と話す。  これに対し、汐文社の政門(まさかど)一芳社長は「原爆の悲惨さを子供に知ってもらいたいと描かれた作品。閉架で風化しないか心配だ。こんな悲しいことはない」と訴えている。  「ゲン」を研究する京都精華大マンガ学部吉村和真教授の話 作品が海外から注目されている中で市教委の判断は逆行している。ゲンは図書館や学校で初めて手にした人が多い。機会が失われる影響を考えてほしい。代わりにどんな方法で戦争や原爆の記憶を継承していくというのか。  教育評論家の尾木直樹さんの話 ネット社会の子供たちはもっと多くの過激な情報に触れており、市教委の判断は時代錯誤。「過激なシーン」の影響を心配するなら、作品とは関係なく、情報を読み解く能力を教えるべきだ。ゲンは世界に発信され、戦争や平和、原爆について考えさせる作品として、残虐な場面も含め国際的な評価が定着している。【宮川佐知子、山田奈緒】 ウソばかり書いているネット百科事典「アンサイクロペディア」にウソニュースとして出たんだけれども 「注:アンサイクロペディアは、嘘と出鱈目にまみれています。ここに書かれた内容も嘘や出鱈目である可能性が高いです。…と、言いたい所ですが、アンサイクロペディアにあるまじき事態なのだが……以上のニュースは全て事実なのである。申し訳ありませんm(_ _)m 事実があまりに凄すぎるので,嘘が書けません!」 って書いたくらい、嘘と思いたいホントなのか? っていうニュース。 http://ja.uncyclopedia.info/wiki/UnNews:教育委員会が、在特会の圧力に屈する