本のいぬ

本のあいだをふらふら歩く、 のらいぬ澤 一澄 (さわ いずみ)の書評ブログ

2022-01-01から1年間の記事一覧

亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 著 / 奈倉有里 訳

『亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版」スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 著奈倉有里 訳岩波書店 タイトルの『亜鉛の少年たち』の亜鉛とは、ソ連軍が戦死者を亜鉛製の棺に入れて家族の元に送ったことから。 ソ連は1979年、アフガニスタンの社会…

アレクシエーヴィッチとの対話 「小さき人々」の声を求めて 

『アレクシエーヴィッチとの対話 「小さき人々」の声を求めて』スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ / 鎌倉英也 / 徐京植 / 沼野恭子 著岩波書店 東京オリンピック出場のため来日したのベラルーシの選手がポーランドへ亡命した。突然の帰国命令の背後にベ…

手づくりのアジール 「土着の知」が生まれるところ / 青木新兵 著

『手づくりのアジール 「土着の知」が生まれるところ』青木新兵 著晶文社 民主主義国家なら、人が皆、心身ともに健康に生きられるのが「ふつう」だ。だが、このところ皆が「ふつう」に生きるのはむずかしくなっている。「ふつう」というのは厳しい条件をくぐ…