本のいぬ

本のあいだをふらふら歩く、 のらいぬ澤 一澄 (さわ いずみ)の書評ブログ

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『ユージン・スミス 楽園へのあゆみ』土方正志著

『ユージン・スミス―楽園へのあゆみ』 土方正志著 偕成社 1,470円 ユージン・スミスは太平洋戦争から日本の水俣公害までさまざまな渦中のなかの人々を写してきたフォト・ジャーナリスト。今も世界の多くの写真家の尊敬を集めている。この本は別冊東北学編集…

『アストリッド・リンドグレーン 愛蔵版アルバム』ヤコブ・フォシェッル監修、石井登志子訳

『アストリッド・リンドグレーン―愛蔵版アルバム』 ヤコブ・フォシェッル監修 石井登志子訳 岩波書店、7,560円 子どものころ、『長くつ下のピッピ』が大好きだった、という人は多いだろう。赤毛でそばかすだらけの世界一強い女の子。ほかスウェーデンの田舎…

『畏れ慄いて 』アメリー・ノートン著、藤田真利子訳

『畏れ慄いて』 アメリー・ノートン著 藤田真利子訳 作品社、1,575円(品切れ) 会社員なら誰でも最初は、会社の掟の不条理に、「どうして?」と思う。だがやがてそれにからめ取られ、そして、からめ取られていることすら忘れてしまう。 その不条理を皮肉と…

『死を生きながら イスラエル1993-2003』デイヴィッド・グロスマン著、二木麻里訳

『死を生きながら イスラエル1993-2003』 デイヴィッド・グロスマン著 二木麻里訳 みすず書房、2,940円 朝、父親が息子を起こすと、訊かれる。「今日のテロってもう、起きたの?」。若いカップルが将来について話し合う。「結婚して3人子どもをもつ。そうし…