本のいぬ

本のあいだをふらふら歩く、 のらいぬ澤 一澄 (さわ いずみ)の書評ブログ

2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『記憶のゆくたて デジタル・アーカイヴの文化経済』武邑光裕著

『記憶のゆくたて―デジタル・アーカイヴの文化経済』 武邑光裕著 東京大学出版会 3,990円 物語や歌をはじめ、あらゆることはその時代の人々の記憶に残る。そして後の時代の人々に伝えるために記録される。最初、記録は、石や粘土板、木の板などに刻まれた。…

『石神井書林日録』内堀弘著

『石神井書林 日録』 内堀弘著 晶文社 2,100円 本の世界には、普通の明るい書店の本のようにピカピカの本があるばかりではない。年月を経て怪しい雰囲気を醸し出すに至った不思議な本もあるのだ。 「石神井書林」は店舗のない古本屋である。古書目録を顧客に…

『和本入門 千年生きる書物の世界』橋口候之介著

『和本入門 千年生きる書物の世界』 橋口候之介著 平凡社 2,310円 江戸時代、日本の出版文化が花開いた。それまで中国の本の翻訳本が大多数だったのが、江戸時代になると日本人の筆者によるものが増え、仏書、漢籍から庶民の読み物までに広がった。読書が多…

『千の太陽よりも明るく 原爆を造った科学者たち』ロベルト・ユンク著、菊盛英夫訳

『千の太陽よりも明るく―原爆を造った科学者たち (平凡社ライブラリー)』 ロベルト・ユンク著 菊盛英夫訳 平凡社 1,680円 1945年、世界初の核実験の際、原爆研究所所長ロバート・オッペンハイマーは、明るい火の玉が天地をつつんでしまうのではないかと思う…