本のいぬ

本のあいだをふらふら歩く、 のらいぬ澤 一澄 (さわ いずみ)の書評ブログ

2019-01-01から1年間の記事一覧

『書店と民主主義 言論のアリーナのために』福嶋 聡 著

『書店と民主主義 言論のアリーナのために』福嶋 聡 著人文書院 2015年、ジュンク堂書店渋谷店はブックフェア「自由と民主主義のための必読書50」を開催した。だが選んだ50冊のなかにSEALsの本がある、従業員の私的なツイートの内容が疑わしい、などのことか…

『本屋がアジアをつなぐ 自由を支える者たち』石橋毅史 著

『本屋がアジアをつなぐ 自由を支える者たち』石橋毅史 著ころから 「真理がわれらを自由にする」。この言葉が国立国会図書館のホールに刻まれている。戦後、民主主義のための図書館をつくるために掲げられた理念だ。 「本屋」たちもその理念を抱いている。…

『さよなら未来 エディターズ・クロニクル2010ー2017』若林 恵 著

『さよなら未来 エディターズ・クロニクル2010ー2017』若林 恵 著岩波書店 21世紀になって、20世紀に構想されていた技術はある程度実現した。今は20世紀に考えられていた未来の域をまだ出ていない。そろそろ未来という言葉が陳腐に聞こえてきた。 雑誌「WIRED…

『タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源』ピーター・ゴドフリー=スミス 著、夏目 大 訳

『タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源』ピーター・ゴドフリー=スミス 著夏目 大 訳みすず書房 3,240円 タコには心臓が3つ。血は青緑色。自在に体色を変えて周囲に溶け込む。賢い生き物らしい。水槽のから脱走した、という話がよくある。骨がないので…

『本を贈る』 若松 英輔/島田 潤一郎/牟田 都子/矢萩 多聞/橋本 亮二/笠井 瑠美子/川人 寧幸/藤原 隆充/三田 修平/久禮 亮太 著、三輪舎

『本を贈る』 若松 英輔/島田 潤一郎/牟田 都子/矢萩 多聞/橋本 亮二/笠井 瑠美子/川人 寧幸/藤原 隆充/三田 修平/久禮 亮太 著 三輪舎 始めに言葉ありき。本は作者の言葉を載せるためにある。画集や写真集なら作品を載せるために。そのために最高の形に作ら…