本のいぬ

本のあいだをふらふら歩く、 のらいぬ澤 一澄 (さわ いずみ)の書評ブログ

2016-01-01から1年間の記事一覧

『図書館大戦争』ミハイル・エリザーロフ 著 / 北川和美 訳

『図書館大戦争』ミハイル・エリザーロフ 著北川和美 訳河出書房新社、3,024円 本には人を夢に誘う力がある。そんな本の魔力を、国の激変に翻弄され打ちのめされた、社会の底辺にいる人々が求めたら…。 小説『図書館大戦争』。日本で人気の小説とそっくりの…

『戦争と読書 水木しげる出征前手記』水木しげる / 荒俣 宏 著

『戦争と読書 水木しげる出征前手記』水木しげる / 荒俣 宏 著KADOKAWA(角川新書)、864円 去年11月に逝去した漫画家水木しげる氏は『ゲゲゲの鬼太郎』など妖怪マンガの大家としておなじみだが、一方『総員玉砕せよ!』などで先の大戦での自分の従軍体験を描…

『“ひとり出版社”という働きかた』 西山雅子 編

『“ひとり出版社”という働きかた』西山雅子 編河出書房新社、1,836円 本屋に行っても読みたい本がない、つまらない、とお嘆きの方もいるかもしれない。本の売り上げが落ちているなか、出版社は、確実によりたくさんの人に売れる企画を取り上げて本を作らざる…

『声』アーナルデュル・インドリダソン 著 / 柳沢由美子 訳

『声』アーナルデュル・インドリダソン 著柳沢由美子 訳東京創元社2,052円 アイスランドの作家アーナルデュル・インドリダソンのレイキャヴィーク警察犯罪捜査官エーレンデュル・シリーズ邦訳第3作。未訳の作品を含めると第5作めになる。犯罪ミステリ小説と…

『凍える墓』ハンナ・ケント 著 / 加藤陽子 訳

『凍える墓』ハンナ・ケント 著加藤陽子 訳集英社(集英社文庫)1,015円 「幸福な国」と知られているアイスランド。男女平等指数は世界第1位だ。 この本は1830年にアイスランドで最後に死刑となったひとり、アグネス・マグノスドウティルという女性の記録を…