本のいぬ

本のあいだをふらふら歩く、 のらいぬ澤 一澄 (さわ いずみ)の書評ブログ

2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『古書修復の愉しみ』アニー・トレメル・ウィルコックス著、市川恵理訳

『古書修復の愉しみ』 アニー・トレメル・ウィルコックス著市川恵理訳白水社2,520円 壊れた本をどうするか。ページや表紙が破れたり取れたり、しみができたり変色したりした本だ。紙が発明されて以来、本は歴史や物語、公的記録、時には神の言葉を伝える物と…

『アラーの神にもいわれはない ある西アフリカ少年兵の物語』       アマドゥ・クルマ著、真島一郎訳

『アラーの神にもいわれはない―ある西アフリカ少年兵の物語』 アマドゥ・クルマ著 真島一郎訳 人文書院 2,520円 「アラーの神さまだってこの世のことすべてに公平でいらっしゃるいわれはない」が、このタイトルの意味だ。西アフリカの大西洋に面した国、リベ…

『ゆの字ものがたり』田村義也著

『ゆの字ものがたり> 田村義也著 新宿書房 3,150円 「田村義也は、装丁家ではないし、絵かきでも図案家でもない、一個の編集者であるに過ぎない。」作家、安岡章太郎の言葉。 だが、この本の著者、田村義也は一個の編集者としてはあまりある業績を残した。19…