本のいぬ

本のあいだをふらふら歩く、 のらいぬ澤 一澄 (さわ いずみ)の書評ブログ

2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『魂との出会い 写真家と社会学者の対話』大石芳野・鶴見和子著

『魂との出会い―写真家と社会学者の対話』 大石芳野・鶴見和子著 藤原書店 3,150円 鶴見和子氏、社会学者。西洋の「対立、伝統の破壊」の社会に対し、アジアの視点からの地域発展論「内発的発展論」で、「共生、伝統の継承」の社会を唱えた。柳田国男や南方…

『琉球布紀行』澤地久枝著

『琉球布紀行』 澤地久枝著 新潮社 2,310円(絶版) 『琉球布紀行 (新潮文庫)』 澤地久枝著 740円 沖縄島を中心として広がる鹿児島県下の島々から台湾近くの島々は、琉球弧と呼ばれる。本土とは違った文化を持つ。この島々にはまた独自の織り、染め、模様の…

『緑の影、白い鯨』レイ・ブラッドベリ著、川本三郎訳

『緑の影、白い鯨』 レイ・ブラッドベリ著 川本三郎訳 筑摩書房、3,675円 1953年、33歳のレイ・ブラッドベリはアイルランドを訪れた。税関で訪問理由を問われると彼は言う。 「狂気です。2種類あります。文学的狂気と心理学的狂気です。まず、私がここに来た…

『アレクセイと泉』本橋成一撮影・著

『アレクセイと泉』 本橋成一撮影・著 小学館、3,570円 1986年にウクライナで起こったチェルノブイリ原発事故では、隣国ベラルーシも放射性物質に汚染され、広い地域が住むには危険な地域になった。たくさんの子供たちが放射能に侵され、死んだ。その地域の…

『書肆アクセスという本屋があった 神保町すずらん通り1976—2007』岡崎武志・柴田信・安部甲 編著

『書肆アクセスという本屋があった―神保町すずらん通り1976-2007 』 岡崎武志・柴田信・安部甲:編著 発行:「書肆アクセスの本」をつくる会、発売:右文書院、1,200円 東京の神田神保町の靖国通りを脇道に入ると、すずらん通りという小ぶりな通りがある。個…