本のいぬ

本のあいだをふらふら歩く、 のらいぬ澤 一澄 (さわ いずみ)の書評ブログ

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『鉄腕ゲッツ行状記 ある盗賊騎士の回想録』ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン著、藤川芳朗訳

『鉄腕ゲッツ行状記―ある盗賊騎士の回想録』 ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン著 藤川芳朗訳 白水社、2,625円 「騎士」といえば弱きを助け悪をくじく、というイメージが離れない。だが中世も終わる頃、騎士道華やかなりし時代は遠くなった。ゲッツ・フォン・…

『東アジアに新しい「本の道」をつくる』『本とコンピュータ』編集室編

『東アジアに新しい「本の道」をつくる―東アジア共同出版(日本語版)』 『本とコンピュータ』編集室編 トランスアート 2,000円 日本、朝鮮半島、中国、台湾はかつて漢字を母字としており、やわらかな紙に木版印刷した本が行き来していた。これをブックロード…

『快楽の本棚 言葉から自由になるための読書案内』津島佑子著

『快楽の本棚―言葉から自由になるための読書案内 (中公新書)』 津島佑子著 中央公論新社 798円 有名な小説家だったという父親をおぼえていない子ども。教育ママだった母親は、子どもを父親のいた文学の世界に近づけまいとした。しかし子どもは、そんな危険で…