本のいぬ

本のあいだをふらふら歩く、 のらいぬ澤 一澄 (さわ いずみ)の書評ブログ

2012-01-01から1年間の記事一覧

『死と滅亡のパンセ』 辺見 庸 著

『死と滅亡のパンセ』 辺見 庸 著毎日新聞社1,365円 東日本大震災のあと、ジャーナリストで小説家、詩人でもある辺見庸氏は、故郷の宮城県石巻市に立ちつくした。手に取るようによく知っていた町がなにもない。友人たちはどうなったのか。瓦礫の中に、墓から…

『有害コミック撲滅! アメリカを変えた50年代「悪書」狩り』 デヴィッド・ハジュー 著 / 小野 耕世 / 中山 ゆかり 訳

『有害コミック撲滅! アメリカを変えた50年代「悪書」狩り』デヴィッド・ハジュー 著小野 耕世 / 中山 ゆかり 訳岩波書店5,040円 今、アメリカの映画ではバットマンなどアメリカンコミックから生まれたヒーローが活躍している。キッチュだけどかっこいいヒ…

『東アジアの記憶の場』板垣 竜太 / 鄭 智泳 / 岩崎 稔 編著

『東アジアの記憶の場』板垣 竜太 / 鄭 智泳 / 岩崎 稔 編著河出書房新社4,410円 東アジアの国々、日本、韓国、北朝鮮、中国、台湾は古代から現在まで互いに影響しあい、交戦し、文化を交流してきた。この本では、国の歴史で扱えない東アジアで共有する文化…

『「本屋」は死なない』石橋毅史 著

『「本屋」は死なない』石橋毅史 著新潮社1,785円 「情熱を捨てられずに始める小さな本屋。それが全国に千店できたら、世の中は変わる。」 これが、書店ひぐらし文庫店主、原田真弓が開店にあたって抱いた思いだった。渋谷にある大手書店の売り場担当を辞め…

『いまファンタジーにできること』アーシュラ・K・ル=グウィン 著、谷垣 暁美 訳

『いまファンタジーにできること』アーシュラ・K・ル=グウィン 著谷垣 暁美 訳河出書房新社2,100円 現在ファンタジーと呼ばれる物語は、かつては神話や昔話であり誰もが聞いて育ったものだった。そこから小説が生まれたのだが、近代、小説は現実の人間を描…

エライ人にはわからんらしい

佐賀県武雄市の図書館が、指定管理者をTSUTAYAが運営する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」にして、市民の希望に応えて365日9時 から21時まで開館し、蔵書を20万冊増やし本を手にとって見てもらえるようにするとのこと。お店と図書館の複合施設という…

『越境する書物 変容する読書環境のなかで』 和田 敦彦 著

『越境する書物 変容する読書環境のなかで』和田 敦彦 著新曜社 4,515円 そこに本がある、というのはどういうことだろうか。その本はいつ、誰によって、どうやってもたらされたのか。本がある、ということは、購入する理由があり、資金の流れがあり、書物を…

『北の島 グリーンランド / 南の島 カピンガマランギ』長倉 洋海 著

<!-- /* Font Definitions */ @font-face {font-family:"MS 明朝"; panose-1:2 2 6 9 4 2 5 8 3 4; mso-font-charset:78; mso-generic-font-family:auto; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:1 0 16778247…